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開発ストーリー / 「マスタック®TFB」の開発

まだ世の中にない製品を最良の品質でつくり出せ──情報電子分野への進出を懸けた沼田事業所立ち上げと「マスタック®TFB」の開発

現在、藤森工業の事業の一翼を担う情報電子事業分野。経営層の強い意志のもとでスタートしたこの事業を確立するまでの道のりは、けっして平坦なものではなかった。当初計画が相次いで頓挫するなか、どんなに苦しくても徹底的に知恵を絞り、あらゆることにチャレンジし、高機能材料分野での「ZACROS」の知名度を高めていったのである。

情報電子分野開拓の使命を担って。沼田事業所を待ち受けていた苦難。

情報電子分野開拓の使命を担って。沼田事業所を待ち受けていた苦難。

このままパッケージ製品に依存したままでいいのだろうか──。創業70周年を迎えた1984年、経営層は不安に駆られていた。将来を見据えれば、付加価値の高いメディカル分野やエレクトロニクス分野への進出は不可欠だろう。今から手を打っておかねばなるまい。そう判断した経営層は、初めて策定した中期経営計画で、情報電子分野における自社製品の開発とその製品化を強く打ち出した。
この分野への糸口を見つけたのが、ある開発担当だった。10年後に伸びる製品として液晶に着目し、そのフィルム材料の開発を思い立ったのである。しかし当時はまだ、液晶は一般的なものではなく、開発担当は経営陣を説得するために多くの時間を費やした。ようやく承認を取り付けることができた1988年、ここから、当社の機能材料の開発と情報電子分野に特化した製造拠点の建設が本格的にスタートしたのである。
新工場では、液晶用フィルム材料の開発に加え、製造品目として、他の工場で行っていたドライフィルムフォトレジスト(DFR)などのOEM※1を加えた。また、新工場は「クリーンな環境で、超精密コーティング」というコンセプトのもと、ヘッド部分がクラス100※2という精密コーティングメーカーを目指してハイレベルのクリーン度を備える設備を導入した。こうして1992年5月、製造部門の精鋭を集めた沼田事業所が稼働を開始し、機能材料分野に進出したのである。
ところが、操業からわずか数年で製造計画は頓挫した。液晶用フィルム材料はポケットベルに採用されたものの、それ以上に用途が広がらず、生産量は頭打ちとなった。さらにDFRの受託生産も計画を大幅に下回り、当初の売り上げは初期の計画の5割にも届かなかった。

※1 OEM…他社のブランド名で製品を製造すること。
※2 クラス100…1立方フィートの空間に0.5ミクロン以上の微粒子が100個以下というハイレベルの清浄度。

OEMの拡大以外に道はない。機能材料事業の存亡を懸けた闘い。

OEMの拡大以外に道はない。機能材料事業の存亡を懸けた闘い。

とにかく工場の稼働率を上げることが第一だった。そのためには仕事を取ってくるほかにない。救いの道はOEM以外にはなかった。そこで、営業部門では、単なるOEMではないとの覚悟を示すためにCCS(カスタマー・コーティング・サービス)という和製英語をつくり、OEMの獲得に奔走した。沼田事業所には「クリーン環境×超精密コーティング」という最先端の設備があった。それをPRすれば、いつかこの状況を打開できると誰もが強く信じていた。
営業担当らは、従来の顧客、樹脂メーカー、塗料メーカー、機械メーカーなど、可能性があればどこへでも飛んで行き、沼田事業所の設備を売り込んでいった。その一方で、工場ではDFRの技術の応用展開として実験工場を建設し、テストコーターを導入した。この設備は取引先から購入した機械に、他の工場の機械を活用して改造したもので、その性能は本機に勝るとも劣らないものだった。
これが転機となった。塗料の開発段階から実生産レベルの実験や試作が可能なテストコーターを導入したことによって、試作の依頼が増えはじめ、新たなビジネスの芽が出てくるようになったのである。
こうしたなかで、開発部門では精密塗工技術のレベルアップと生産効率の向上に取り組んだ。とくに塗工方法では、国内外の機械メーカーを調査検討し、自社の製造環境に適合するように幾度も改良を重ねた。そして、全塗工機を独自方式に切り替えた沼田事業所は、超精密塗工と生産効率の向上がはかられ、薄膜から厚膜塗工、さらには複層化など、ユーザーの幅広いニーズに対応できるようになった。
以後、営業が地道に蒔いてきた新ビジネスの種が花咲きはじめ、DFRをはじめ、複数メーカーの層間絶縁フィルム、フレキシブル基板用2CCL、自動車用の遮光フィルムなどのOEMが始まった。OEMは次第に軌道に乗り、苦節7年、ようやく黒字を達成したのである。

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藤森工業株式会社では、品質管理マネジメントシステムISO9001:2008を本社、研究所、支店、営業所、6事業所で、三重事業所でISO13485:2003(医療機器における品質マネジメントシステムの国際規格)、横浜事業所でISO15378:2011(医薬品向け一次包装材料に対する品質マネジメントシステム)を取得しております。環境マネジメントシステムISO14001:2004を本社、研究所、支店、営業所、7事業所及び関連会社(フジモリプラケミカル、まつやセロファン)を統合して認証登録しております。

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